1980年代に登場したLCC(格安航空会社)は、画期的な低運賃で航空需要の裾野を広げる役割を果たす一方で、それまで世界の航空市場を牽引してきた大手航空会社からシェアを奪っていきました。21世紀になると、アメリカの同時多発テロにより「大手は標的になりやすい」というイメージが働き、燃料価格の高騰、リーマンショックによる経済危機がもたらした個人や企業の低コスト意識の向上などがLCCへは順風、大手には向かい風となり、ベルギー、スイスなどでは伝統あるフラッグキャリアが姿を消しました。

このような状況に対して、大手航空会社が取った戦略の一つは、自らの傘下にLCCを持つことでした。アジアでは、オーストラリアのカンタス航空が設立したジェットスター航空、シンガポール航空傘下のタイガー・エアウェイズが代表的な成功例です。

前者はカンタスの路線を引き継ぐ形で日本に就航するほか、シンガポールにジェットスター・アジア、ベトナムにジェットスター・パシフィックを設立、後者もタイガー・エアウェイズ・オーストラリアを設立するなど、両社とも東南アジア、オセアニアにネットワークを広げています。そのほかアジアでは、韓国の大韓航空やアシアナ航空、タイ国際航空、エア・インディアなどもLCCをその傘下に持っています。

米国や欧州でも、LCCを設立する動きは診られました。しかし、米国では、親会社の低価格ブランドとして登場したユナイテッド航空のTedやデルタ航空のSongが数年で親会社に吸収されています。欧州でも、ブリティッシュエアウェイズ傘下のゴーフライがLCC大手のイージージェットに、KLMオランダ傘下のバズがライアンエアにそれぞれ売却されるなど、どちらかというと失敗が多くなっています。





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大手傘下のLCC(格安航空会社)も登場